佐藤緋美君のエピソードがピカイチで「刹那四世と呼べ」「今それいいから」彼女の返しが心地よい。とんでもない逆境を前にして堂々とした佇まい。そして音程が定まらないまま始まるダニーボーイには驚いた。声が講堂にすーっと広がるのだ。「ケイコ…」でも母親譲りの不思議に深い声を披露したが、このシーンは今作のクライマックスと言って良いのではないか。
窪塚君と佐藤君との繋がりを河合さんの一言で表現する演出も良い。
このシーンは今作のクライマックスと言って良いのではないか。
一方で他の三つのエピソードは既視感がやや強く、河合さんのフラッシュバックが二度繰り返されるのも答辞を読むシーンもややくどく感じたが、吹き飛ばすくらいの佐藤君の存在感だった。
中川監督、次作も楽しみ。
