kaoruiさんの映画レビュー・感想・評価

kaorui

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ワンダーストラック(2017年製作の映画)

4.0

少女のシーンが飛び抜けて美しい。
モノクロで、トーキー前夜の甘く懐かしくそして切ない温度感を再現する。
劇中に映画館が登場するけれど、耳の聞こえない彼女の孤独を優しく埋めてくれる場所だ。サイレント映画
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用心棒(1961年製作の映画)

5.0

豪快さとユーモアと、そして不器用さと優しさが同居する三船敏郎という稀有な俳優の魅力が存分に味わえる。
ラストの、吊るされた黄門様ごしの砂埃風の向こうから肩をクイっといからせるお馴染みのポーズでグングン
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万引き家族(2018年製作の映画)

5.0

見下ろす屋根、屋根、屋根、一軒だけ光の灯った小さな縁側から屋根越しにヒョイと6人が順繰りに空を見上げるために顔を出す。このシーンだけでも観る価値がある。6人の孤独が寄り添う。地球上でそこだけ取り残され>>続きを読む

地獄の黙示録(1979年製作の映画)

4.5

10時からシリーズにて。

コッポラの当時の勢い、感性、才能、財産、その全てをかけ、戦争の狂気に挑み、自身も狂気に魅入られる。映画という枠組みでは語れない、今後も決して現れない唯一無比のものである。不
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.5

後味の悪いシチュエーションスリラー。
広角で歪みながら廊下をローアングルで撮ったり、高い位置から俯瞰したり、2つのベットの上をシーリングファンが静かにブンブン回ったり、おっという絵づくりを見せる。キッ
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友罪(2017年製作の映画)

2.5

手持ちカメラでのアップが多く、後ろの方で観てたんだけど、少し車酔いしてしまった。
佐藤、富田、生田の息詰まる演技に車酔いも加わって本当に息が詰まってしまった。
僕自身、幼児に手をかけた少年Aに露ほども
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.5

自由奔放に解放され、黒澤ばりの太鼓のくりだすポリリズムにのって繰り広げられる映像表現にただただ浸る。どーんと大きい。
カメラに向かって独白するスタイルはまぎれもないアンダーソン・オリジナルだが、何故か
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アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年製作の映画)

3.5

そんなにマーベルに詳しくないので、恐らくファンは大興奮のキャラ登場にも誰?っとなってしまう。
そんな中、サノスは数多映画に登場する悪役の中でも最凶クラスではないだろうか。
ジャンルはちがうけれどジョジ
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.0

「彼女がその名を知らない鳥たち」で金字塔をうち立てた後のエンタメに徹した一本で、滅法面白い。黄色がかったフィルタごしに揺れる絵作りは健在で、放火した炎がサングラスに映る絵は外連味たっぷり。
役所の水ぶ
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.0

巻頭のコロニーの描写が凄い。上下の運動で、全て人力感が凄い。
けれど作家性はここで封印してスピルバーグの極私的映像のオンパレードだ。
ポップカルチャーがアキラ、ガンダムでデュランデュラン、ジャンプでビ
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レポマン(1984年製作の映画)

-

まさか中国でレポマンに出会えるとは!
我が敬愛するアレックスコックスは、私立探偵 濱マイクの最終話の監督で、さらに敬愛するシオンが主演というありえない組み合わせなのだ。
灰を海に放った瞬間の「通報され
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.0

リンカーンくらいからかスピルバーグ作品の陰影が深くなった。いや闇が深くなったというべきか。
記者が公衆電話で小銭をぶちまけながら記憶が消えないうちに電話をかけるサスペンスシーンはそんな作られた闇の中だ
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ズートピア(2016年製作の映画)

3.5

知恵とタレコミと運と勘で追い詰めていく様はチャンドラーだ。ヒリヒリと硬質だ。孤高と孤独が微妙な距離感で近づき離れ、そして寄り添う様もそうだ。キツネのキャラが抜群に良い。
動物ごとの身体の大きさの差はも
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.0

序盤のローアングルでゆっくり動くカメラが秀逸だ。
下水に顔を出すピエロ、俯瞰で腕を引っ張られるところを捉えるショットは清水崇的でショッキングだ。
中盤から後半も、スタンバイミーにグーニーズを足したよう
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ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)

3.0

バットマンにはとことんダークでいて欲しい。グッズの重量感、質感を楽しみたい派なので、あまりチーム組んで欲しくないんだけど、ガドットが観たくて鑑賞。
結果十分堪能した。華があるなー。艶があるなー。もうそ
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ボス・ベイビー(2017年製作の映画)

3.0

最初、ボスベイビーのグロテスクさに、こらあかん出よかな、というくらい入り込めなかった。途中、妄想が劇画タッチになったり、ボスが弱音を吐き共闘組みだしてから俄然面白くなった。
完全お兄ちゃん目線で最後の
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ブラックパンサー(2018年製作の映画)

3.0

クリードで堪能したヒップでブラックなタッチに再開したくてクーグラー作品を鑑賞。
莫大な予算は韓国でのカーチェイスにつぎ込んで、自分のテリトリーであるストリート(この場合滝壺)での殴り合いに持ち込んだ。
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.5

松岡茉優の女優力に驚愕する。
ほぼ全てのカットに写っていて、ほぼ全てがフォトジェニックなのだ。これは日本映画史上の快挙と言って良いのではないか(言い過ぎ?)
無意識なんだろうか、セリフの返しの間がなん
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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

3.5

言葉の映画だ。チャーチルと記録者が最初はぶつかりながらも互いに信頼しあい、遂には大きな山を動かす様は感動的である。
聞き取り文字にすることで反復が可能になり、言の葉に宿る力が増していく。一国を動かすほ
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麦秋(1951年製作の映画)

4.5

原節子の瑞々しいこと。
パーっと向日葵のような鮮やかさで画面いっぱいに微笑む。
湘南のかすむ海を背景にしたカットバックが美しすぎる。
戦争の暗い影が次兄の消息を通して暗示され、二本柳との共通の想い出を
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

3.5

メキシコには行ったことないけれど、土地の香りが全編匂い立つ。
生者と死者の束の間の交流が祝祭感豊かに描かれる中、哀しくもしなやかなマリアッチの生き様が素敵だ。
歌い出しのラテンな奇声が観客達の抱える少
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エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

3.0

ここまでシリーズになっていると、ご本家リドリーが撮っても既視感がありすぎて損だよなー。

エイリアンの人間っぽい造形や動き、内臓と金属の融合した感じとか、ギーガーの世界観はピカイチで楽しめる。

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

4.0

確信犯的に映画半ばで完全に弛緩させる。
それは北野作品にしばしば登場するけれど、その比では無いくらい長い時間で、革命的といって良いのかもしれない。映画を降りたカメラが幼馴染達の彼の地での再会を愛(め)
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

5.0

彩度深い緑が絵の中に配置される。
ガラガラの劇場に佇む魚人や、バスの窓の水滴が流れひとつになり次のカットを覗き込む絵や、
雨が別れの合図であることを匂わせ、さりげなく窓外の降る雨を写し込むカットなどか
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.0

結構楽しめた。
楽曲もダンスも最先端ではなく、かといってノスタルジーに浸れるわけではなく、いわゆる微妙にゆるい(ダサい^^;)んだけれど、そういうのじゃ無いから!という決意表明がみてとれる。
結果潔い
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エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.0

グロテスクで露悪趣味なんだけど、ラテンのリズムがドライブする。カフェの、客の佇まいまで含めて完全に設計された画面造形が素晴らしい。
歌舞伎の影響を受けているのだろうか黒子、そして連獅子のようで空手も使
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(2016年製作の映画)

2.5

大森監督のプライベートフィルムの感がある。島に古から生い茂る木々、毒毒しい赤い花、太陽の熱、月の光、虫の声が住む人々を狂わせる。けれどいかんせん映像が弱い。ミルズの音すら浮いてしまい方向性を失う。
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ビジランテ(2017年製作の映画)

3.5

泥のような川の中でもがく。足を取られる。
目を背けても自分の中に居座る父親の血と骨が通奏低音で、暴力と権力と欲情が映像化される。お互いの中に、目を背けても血と骨が透けて見え叶わない兄弟の再開。
出口の
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羊の木(2018年製作の映画)

3.5

エネルギーが充満して収まりきらずいびつなんだけど、それこそが大八作品の魅力だ。
6人は多すぎちゃうか、消化不良起こすんちゃうか、と途中心配になるけれど、ゴリゴリと胃袋の脈動で噛み砕く。
人情モノに逃げ
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希望のかなた(2017年製作の映画)

4.0

不敵な面構えのあかんやつらが自然と集まって肩よせあうカウリスマキワールド。
レストランを立ち上げてから俄然面白くなる。寿司屋のシーンはかなり突っ走ったけど、素直に爆笑した。
カウリスマキ・イエロー(
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.5

イマジネーションに満ちた豊かな作品だ。

登場人物が皆画面いっぱいに暴れる。
車にモノを投げつけた息子の友達の女の子のミゾオチに何の躊躇もなく一撃を入れる母親。うずくまる女の子、息子は淡々とありがとう
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はじまりのうた(2013年製作の映画)

3.5

劇中曲がとにかく良い。ドラムの頭陀袋を叩くような質感、ヘフナーベースの親指タッチのうねるライン、それにかぶさるナイトレイのメジャーセブンな歌声。平井堅みたいな彼氏の歌もカッコ良い。
マークラファロが抜
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マンハント(2018年製作の映画)

2.5

様式美を楽しみに鑑賞したけど、なんか雑やな。
演歌の流れる飲み屋のお姉さん達がいきなりぶっ放すオープニングや薬品会社の面々のパーティーシーンの怪しいダンスまでは痺れたが、一気にサイドブレーキを引き上げ
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

2.5

撮りたい絵のために話を作る、いわゆる全てがマクガフィンとして構成されている作品は大いにありやねんけど、最後の晩餐を撮りたかったんやろうけど、オリエント急行でそれをやるとなると、よーく考えなあかん。
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ジオストーム(2017年製作の映画)

2.5

これを言っちゃおしまいよ、の話やねんけど、予告編が1番良かったかな…。
もう少し見たいなーというところで切らなあかん決まりがあるんかなー、ハリウッドのディザスター系って。ところどころ良いシーンがあるん
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8年越しの花嫁 奇跡の実話(2017年製作の映画)

4.0

かなり勇気を振り絞って女子中高生に混じって完全に小屋内最高齢で夫婦鑑賞。
雲の行き交う様で年月の経過を表現し、絶望の映像の合間に澄んだ空に突き抜ける希望を写す。なので重い重いシーンでも湿らない。
中で
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