かくわ

少女は卒業しないのかくわのレビュー・感想・評価

少女は卒業しない(2023年製作の映画)
5.0
「どうだ、思い知ったか」

観る前からそんな気はしていたけど、もうこれは今年のベストで良いんじゃないかな。珠玉のエピソードの数々…

「河合優実の初主演作」だけでも期待しかないし、他にも邦画界を牽引する若手俳優の出演。2022年のTIFFで観ようかと思いつつも楽しみを取っておいたら、まさかの長野では3月公開となり大分待ちましたがちょうど卒業シーズンでの鑑賞もまた良き。

ストーリーは、廃校が予定された高校を舞台とした、卒業式2日前から当日までの4人の女子高生を中心とした群像劇。

「卒業しても 隣で笑っていたかった。」
卒業式リハーサルからはじまり、河合優実演じる山城まなみが答辞を読み、それに同級生が影響を受け行動していく。
軸はまなみのエピソードですが、これが切ない。途中で気づいてしまったのであぁ…となってしまった。

「夢のために私は 別れを選んだ」
小野莉奈さん演じる後藤と、その彼氏とのエピソードは王道という感じ。高校生の恋と卒業式で一番ありふれたエピソードではあるけれど、こういうのが無いと全体的にあまりにフィクションすぎちゃうんですよ。

「本当の彼は 私しか知らない」
小宮山莉渚さんは、4人の中では唯一ご存じなかったんですが、これが2作目の出演作とは…!一番好きなエピソードでしたね。
二人乗りやツーショットを撮るシーンも好きすぎる。パンフレットには最高の写真が掲載されてます。
小宮山莉渚さんのこれからが楽しみすぎる。
あと後輩役の田畑志真ちゃん密かに好きなので出番多くて嬉しい。

「学校なんて 早く卒業したかった。」
中井友望さんと藤原季節さんの組み合わせズルくないですか?藤原季節(カッコいい。めちゃくちゃ好き)が既婚者の高校教師とかキケンな匂いしかしないのに、よくぞクリーンなままでいてくれた。図書館の本のくだり最高か?自分もこんな人生やりたかった。

まぁ総じて最高すぎる青春群像劇なので、時間あればもう一度観たいしBlu-ray出たら絶対に買う。

パンフレットは卒業アルバムのような装丁。答辞は手書きで全文掲載されているし、キャストの座談会など文字沢山で嬉しいのに、写真も沢山で最高の一冊。
自ら演じたキャラクターへのメッセージも良き。

2023-076-068
かくわ

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