行ったことないのですが、「パリといえば」的な風景でなく、そこに暮らす人々の息遣いが感じられる「普通のパリの街並み」を巡る感じが新鮮でした。
そして、乗客となる老婦人マドレーヌの凛とした、そしてどこかユーモラスで気品を感じさせるキャラクターの人生の物語に心地好く惹き込まれました。
人生の終わらせ方を、偶然乗り合わせたタクシードライバーへ委ねる様なミラクルは、実に映画的ですが、観ていて幸福な気持ちにさせられる実に素敵なストーリーテリングだったと思います。
見知らぬ同士の人が人を思いやる。
そこに儚く、束の間の絆が芽吹く。
人生の終幕という道行きをタクシーに乗せた、素敵なロードムービーだったと思います。