からかす

パリタクシーのからかすのレビュー・感想・評価

パリタクシー(2022年製作の映画)
3.0
予告編等からほのぼのロードムービーなのかな、と思っていたら
女性公民権的な動きや肉親との死別など
思いのほか重め。
主人公の92歳の女性は過去の笑い話みたいに語っているものの
高齢者ブラックジョークみたいに
周りが気を遣って「ハハ…」と苦笑いする感じ。

本筋としては
どんなに激動・波乱万丈・山あり谷ありでも人生は一瞬だから
自分のその時の情熱で一歩踏み出せという
有体にはそんな内容なのだが
表面的には明るいパリの街並み・ジャズに乗せて
非常に軽やかに作られていると感じる。

そんな軽やかさとは相反して上述の通り
女性の人生は観ているこちらが「えぇ…」と感じるくらいの
激動っぷりで飲み込みづらいし、
老いた女性とタクシー運転手との心の交流という観点では
今度は逆に軽やかすぎて
いつそんなに仲良くなって絆生まれたの?と思うほど。
というわけでなんだか重さと軽さのアンバランスさが
絶妙に自分と合わない、そんな映画。
からかす

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