maruco

インスペクション ここで生きるのmarucoのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

主人公フレンチは同性愛者だった。
彼は自分の生きる場所を求め海兵隊へ入隊する。信じられないような狂気を孕んだ訓練はやがて事もあろうにふとした瞬間の出来事を契機に彼フレンチへの虐待と性差別の餌食と成す。その渦中にありながらフレンチの全うで知的で決して屈することなき清廉さが美しく切ない。拷問のような日々の最中(さなか)そこで唯一、人としての優しさを見せる上官への性の妄想とフレンチの慕い焦がれる想いはここでも儚く悲しい。

最後に私はこのフレンチの母を絶対に許すことはない。
名ばかりの母よ、彼の人生最良の卒業式典のとき別れ際のフレンチに愛してるけど認めない許さないと…、
我が息子に告げる母を私は誰よりも許せない。私にとり真の愛とは許すこと認めることからはじまるものだと思う。息子が待ちわびた母からの返信に一度たりとも返さなかった便り。今、愚かなる母よ、息子への1度きりの返信として詫び状たる日々を人生を、歩んでほしいと切に願う。
私はこの母と称する鬼畜の人へ、
憤怒の塊と化した。
先日満点評価した「大いなる自由」と少し重なって見える部分もありつつ全てのシチュエーションに於いて哀しみと物足りなさを感じた。
だけど本作は実話ベースで想定された映画であり宗教感そして時代背景を鑑みたとき私が望む濃密な心理表現や描写は難しかったのかも知れない…、そんなふうにも感じた。

マタアワシテクダサイ

追記
のちに加筆修正させて頂いたことを
お詫びします。
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