BOB

アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~のBOBのレビュー・感想・評価

3.4
『ビッグ・シック』のマイケル・ショウォルター監督×アン・ハサウェイ主演のロマコメ。

LAで小さな画廊を経営する40歳のシングルマザーが、世界的人気ボーイズバンドの24歳のリード歌手と恋に落ちる。



もう一捻り欲しかったというのが正直な所だが、見ても損はしないチック・フリック。展開が先読みしやすく、中弛みこそ感じてはしまったものの、アン・ハサウェイのロマコメ演技は流石だし、ニコラス・ガリツィンのポップスター役には説得力があったし、二人のケミストリーも良かったので、最後まで飽きなかった。

現代版『ノッティングヒルの恋人』とでも言うべきラブ・ストーリー。ソレーヌがヘイズに別れ話を切り出す度に、(男女こそ逆だが)、"I'm also just a girl, standing in front of a boy, asking him to love her." というジュリア・ロバーツの有名な台詞が頭を過った。

"男の理想"ではなく、"女の理想"を描いているのがポイント。年上男性と年下女性の恋愛映画は昔から数え切れないほど作られてきたが、年上女性を主人公にした不倫ではない純愛映画はかなり希少なはず。現代版シンデレラストーリー『プリティ・プリンセス』でスクリーンデビューを飾った、アン・ハサウェイならではのお伽噺的ロマコメでもあると思った。

ボーイズバンド"August Moon"が本作のために作られた即席グループとは思えないほど、カリスマ性があってクール。サントラは普通に良いし、ニコラス・ガリツィンの歌唱も良い。このままデビューしてもなかなか良い線行くのでは?笑

ニコラス・ガリツィンは、昨年の『赤と白とロイヤルブルー』『ボトムス』に続いての話題作ということで、コメディ映画の若手イケメン俳優枠で確かな地位を築いた感がある。

二人の出会いの場となったCOACHELLAフェスの雰囲気が良い。いつか本物の熱気を味わってみたい。

198
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