2022年 鑑賞 22-306-33
BS松竹東急 銀座よる8シネマ にて
※デジタル修復版
里見弴先生の同名小説を原作(里見先生と親交のあった小津監督が里見先生の原作を映画にしたいと申し出たところ、映画化を前提に新作を書き下ろすことになり、里見先生、小津監督、脚本家野田さんの三者で構想した大まかな筋のもと、小説とシナリオ別々に作られたものである)「秋日和」「浮草」等の小津安二郎監督・脚本 × 野田高梧さん共同脚本による、大手企業の常務の平山(佐分利信さん)、旧友の河合(中村伸郎さん)、同期仲間の三上(笠智衆さん)の3人と結婚期にある3人の娘と容易に意見の合わないそれぞれの家庭の親とを描いた作品。
小津監督作品としては初のカラー映画作品。
スコアはつけられないと感じたため遠慮させていただきます。
ー 子の幸せを望むのが親の幸せ ー
3人といえば「きっと、うまくいく」など多く存在しているが、2作品観てきて思ったのが3人での食事やお酒を酌み交わすシーンが印象的だった...
結婚 = 幸せ? そりゃ当時と今とでは社会的状況や個人それぞれの考え方や価値観で違うが、出世率という観点で見たら当時のスタイルがいいんだろうが... 、節子(有馬稲子さん)と幸子(山本富士子さん)の親が結婚に関して面倒なことを言ってきたらそのときは協力し合おう同盟と指切り「ぎり ぎりみっちゃんぼう」独特な指切りの掛け声、家族が揃うのも幸せ、一定のお金がある豊かな生活も幸せ、藪から棒の告白、「私自分の幸せは自分で探します」、谷口(佐田啓二さん)の肝が座った考えと節子の涙、平山夫妻の考えと節子の考え、三上の娘文子(久我美子さん)の思う父のことや考え、近藤(高橋貞二さん)と「ルナ」のスタッフの掛け合いが最高!、平山と幸子の会話、幸子にかけた平山の言葉とトリック、「いいの 責任はあの娘たちがもちます そう言ってたじゃありませんか?」、やっぱり女性強し!で男性は子どもっぽいし理屈っぽいし論破されがち、平山の妻の清子(田中絹代さん)、無理に出るなと言われたら... 、家族4人での食事のはずが... ここいいよね!清子の幸せの象徴だもんね!、平山の気持ちの変化とああいう形でしか... 不器用だねぇ... 汲み取る清子最高だ!、思わず泣いちゃった!灯篭のショットがいいっ!、クラス会と詩吟、幸子から聞く節子と谷口の幸せそうエピソードと平山の行動...
今作のMVPは幸子だったし、流行語大賞がトリックだなぁ!だからか次は小津監督唯一の大映の作品に繋がる。子の幸せを願う親の気持ち、真鍮を金にするのが結婚、平山の笑顔と... ラストの電話のシーンの切り替わりでまた掴まれた!姪が結婚した後、また鑑賞しようと決めた今だった!
余談:初のカラー作品のためか、やかんやバーのインテリアなど赤が印象的だった!宮島の鳥居も、彼岸花も赤だな!
「お父さんって方はね何でも自分の思うようにならないとお気に入らないのよ そうじゃありませんか いつだってそうよ おっしゃること矛盾だらけじゃない」
「子どもってやつも子どもだ子どもだと思ってるうちにいつの間にか大人になってくものだねぇ」