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アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスターのzkのレビュー・感想・評価

4.0
アバターは初見である。青い宇宙人にピンと来なかったし設定にも惹かれなかったのが今までスルーしてきた理由だが、10数年ぶりとなる続編公開が迫っているのでいい機会と思ってレーザーIMAXにて鑑賞。

初回公開は2009年とのことだが4Kリマスターの恩恵なのかCGにショボさは感じない。迂闊にblu-rayや配信で観ずに公開当時を上回る最良環境で観る事ができてよかったと素直に感じた。

さて、本作とSAOやレディプレイヤーワンなどの他のアバターものとは1点明確な違いがある。それは「どちらのボディも同じ空間に存在している」である。本作の本質はべつの惑星の架空の世界っぽい現実空間に着ぐるみで乗り込む物語である。それは広義において間違いなくアバターであるが我々の知っている「アバター=仮想空間上の自分」ではない。

好意的に言えばキャメロンはその常識を打ち破ったといえる。わたしにはあなたが見える、である。
このカタルシスを得るために本作は「便宜上アバターものに見せかけたボディダブル映画」として作られたのだ。
もっとシンプルに変装モノ、潜入捜査モノという実は古くからある物語構造の作品とも言える。目先を変えるだけでかように新規性の高い作品にキャメロンは仕立て上げたというわけだ。

…ところで物語は貴重資源のためにアメリカ海兵隊が土着の未発達原住民の集落をノリノリで攻撃するという、アメリカの歴史をキャメロンはどう考えているのかわからないが、そういう展開が待ち受けている。
未来の海兵隊には当然黒人もいるのだが、ミシェル姉さん以外の黒人兵もノリノリで未開文明破壊に参加していたけど、彼らはどういう気分で攻撃してるんだよと思ってちょっと笑ってしまった。
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