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遊星からの物体Xのzkのレビュー・感想・評価

遊星からの物体X(1982年製作の映画)
4.1
映画史に残る傑作クリーチャー映画にしてリメイク作品。
この時代に登場した技術、VFXを駆使してそれ以前では表現できなかったクリーチャーを映像として現出させた、というのが公開当時に観た人の率直な印象だろう。

本作の特徴は南極という巨大な閉鎖空間に宇宙生物を封じ込めようとする、男達の責任感の話だ。軍隊でも警察でもない観測所の職員(…にカートラッセルがいるのも設定の突っ込みどころだと思う)が極限の環境でとてつもない男気を発揮するのだ。
普通は先行作品のエイリアンのように脱出劇にするはずなのに、本作はそうしなかった。ここに本作固有の特徴がある。

ラストで彼らがその後どうなるか、という事よりもやり遂げたかどうかの方が彼ら自身にとって遥かに重要なのだ。

本作が今でも傑作扱いされている最大の所以は、実はVFXによる画期的なクリーチャーよりもそこにあるのではと感じる。
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