ゆみモン

桜色の風が咲くのゆみモンのレビュー・感想・評価

桜色の風が咲く(2022年製作の映画)
3.5
石原慎太郎著『再生』を読んで、映画も観てみようと鑑賞。

全盲聾という、真っ暗で無音の世界…想像しただけで、世界中に自分が一人で放り出されたような孤独感でいっぱいになるだろうと思った。
しかも福島智さんは、だんだんに見えなくなる聞こえなくなる恐怖と闘ってきたのだ。

118分という映画の尺には収まりきらない、もっと多くの彼の努力や苦悩や喜びのエピソードがあったと思う。
小説では、彼の性の目覚めや、大学受験や就職の苦労、そして恋愛・結婚…と描かれている。それら全てを盛り込むことは難しくても、どうやって大学教授になったのか、どのように講義をしたいるか等も知りたかった。

小雪が、たくましく愛情深い母親を熱演。もっと年齢を重ねた容貌の変化がほしかった。そこはリアリティに欠けてしまった。父親もそうかもしれない。

またタイトルも英語の「A mother's touch」の方がいいと思った。