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野良猫ロック 暴走集団’71のスギノイチのレビュー・感想・評価

野良猫ロック 暴走集団’71(1971年製作の映画)
3.1
梶芽衣子は早々に囚われの身となり、完全に脇役化してしまう。
主役は藤竜也だ。
主人公チームの描写は『ワイルドジャンボ』よりさらにフーテンに磨きがかかる。
このシリーズの売りであったろうファッショナブルは無くなり、原田芳雄はドテラを着て子供を背負い、藤竜也は廃バスを根城し、チームの移動手段はバイクでなくチャリである。
まともにやくざ映画のトーンを保っている敵の郷鍈治がアホに見えてくるほどだ。

ダラダラの果てに、西部劇のテーマパークのようなセットで撃ち合いが始まる。
最後のあがきを見せたアナーキーなシリーズの最後がコレというのは、何だか往年の日活無国籍アクションに対する鎮魂曲のようである。
ここで藤竜也らを迎え撃つのがかつての「ウドンウエスタン」の旗手・宍戸錠ではなく、弟の郷鍈治というのが日活そのものを暗示しているようだ。
(実際は単にスケジュールやギャラの都合なんだろうけど)
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