ケロ松

福田村事件のケロ松のネタバレレビュー・内容・結末

福田村事件(2023年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

見たら絶対辛くなるだろうなと思いながら見ねば、と思い見て、やっぱり非常に辛く重く最悪な気分での帰りです。でも見ないといけない。目を背けたら、学ぶことをやめたら、自分もきっと同じことをする。
人間の弱さ、愚かさ。
(でも人間の強さ、優しさも信じたい。)
前半の色っぽいエピソードは何だろう?サキエさんの嫉妬が虐殺事件に繋がるのか?と思いきやサキエさんも船頭さんも田中麗奈の奧さんも皆庇う側で、〝お国のために‼︎“〝村を守るのだ‼︎“とか脳死状態で正義面して息巻いてる人々よりもよっぽど人間的。…ということか。
最後の場面、村の人たちが恐怖心、強がり、後ろめたさ、無知からくる恨みなどでどんどん興奮してとまらなくなっていく様子がリアルすぎて怖かった。映画見ている方は、日本人なのに殺してしまう!駐在さんが戻ってくるまで落ち着いて、という恐怖に包まれるが、しかしいやいや、そもそも何人だってダメしょ、そして被差別部落民としていわれのない差別や貧困の中で生きてきた人たちの人生をこんな形で奪うなんて…、という何重にもダメな状況をさらに思い知らされる。日本人の行商人が殺された事件を描くことで、より一層、朝鮮人虐殺の理不尽さを突きつけられる。
ケロ松

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