ふてい

ロスト・キング 500年越しの運命のふていのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 二人の息子を育てる母であるフィリッパ・ラングレーは、持病と性別のせいで上司から理不尽に軽んじられることに悩まされていた。ある日、『リチャード3世』を観劇したフィリッパは、主人公リチャードに自分を重ねて見るようになり、彼の名誉を回復するための行動を始める。

 シェイクスピアや歴史に明るくなく、実話だということに驚いた。そして、性別や病気、身体的特徴などを理由に受ける差別に抵抗する物語としてとても面白いと感じた。アマチュア歴史家の主婦が自身とリチャードを信じて愚直に調査活動に取り組んでいく姿は格好良く涙を誘われたし、何度も訪れる理不尽に怒りが湧いた。
 特に感動したのは終盤、フィリッパが女学校で今回の体験についての講演をする場面。過去の出来事と対峙し歴史を変えた女性が、これからの未来を担う少女たちにエールを送る。大きな時代の流れを感じさせるその一幕には希望が満ちており、そして勇気を与えられた少女たちがまた未来に希望をもたらしていくのだろうと感じさせてくれた。
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