梅ちゃん

神回の梅ちゃんのレビュー・感想・評価

神回(2023年製作の映画)
3.8
神回―――
本来の意味は、ドラマやアニメなど連続物のうち、特に出来が良かった回を指すが、本作では、人生における最も幸せだった瞬間を指すものと推察される。

教室で目覚めた男子高校生の樹、横には共に文化祭実行委員を務める女子高校生恵那。
樹だけ、なぜか13:00から13:05を何度も繰り返す謎のタイムループに巻き込まれる。
夏の青春モノに擬態した一見ファンタジー風味の別の物。
2023年88分🇯🇵

リバーは未見ですが、MONDAYS的な、皆で力を合わせてこのループから脱出するぞ!展開を予想し、見事に裏切られる。

混乱や焦燥から徐々に露わになる樹の欲望や衝動は、到底肯定出来るものではないが完全否定もできない。

男の目線から言うと、主人公への共感度とヒロインの魅力が、作品の成否のカギを握る。

青木柚さんのTHE・イケメンとは言えない抑えた佇まいや、坂ノ上茜さんの天真爛漫な魅力は、最高レベルのパフォーマンスを発揮していたように感じる。

特にヒロインの可愛さは常軌を逸する勢いだ!😍
(先日、BS番組〈町中華で飲ろうぜ!〉の坂ノ上茜さん涙の卒業を涙で見届けたファン目線🥲)

想像と違った展開と、なんじゃそりゃな結末に困惑したのは事実。それでも人生を振り返り、じんわりと心が温かくなる、そんな作品でした。

『ありがとう。』
つくづく良い言葉ですね🥲✨



以下ネタバレ含みます🤫⚠️㊙️



劇中の樹と恵那のやり取りが、現実の実行委員イケメンに自分を重ねた樹の妄想であったこと。

学校中にプロジェクションマッピングで映し出される恵那のキラキラした姿が、樹の青春時代に占める恵那大き過ぎる存在を表していること。

恋が成就しなかった男の、過去のベストエピソードを都合よく改編し、何度も思い出してはひたすらに反芻している自慰的行為が、タイムループの正体であったこと。

よく言えば一途な純愛ですが、見方を変えると中々パンチの効いた樹の執着とも理解できる。

この童貞の妄想を煮詰めて濃縮したような物語。男性の僕には理解可能ですが、これが女性の目にどう映るのか。単純に興味が湧きました。

なお、反時計回りに90°回転した印象的なティザービジュアル。構図的な要因のみならず、過去の回想である事の暗喩としても受け取れるというのは考え過ぎでしょうかね?🤔


長くなってしまいましたが最後、僕が最近印象に残った神回はコチラ。

①ドラマ
不適切にもほどがある!
第1話『頑張れって言っちゃダメですか?』

②アニメ
葬送のフリーレン
第26話『魔法の高み』

③人生
妻『キミの手はなんかムチムチしてんな』