無差別イイネは咒殺

全身小説家の無差別イイネは咒殺のレビュー・感想・評価

全身小説家(1994年製作の映画)
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巨匠・原一男監督によるドキュメンタリー。
虚言癖の小説家・井上光晴に迫ると聞いて、その嘘に斬り込んでいくのかと思いきや、井上光晴というエネルギッシュな人にどんどん惹き込まれていく。

井上光晴は小説の寺子屋みたいのを全国でやっていて飛び回るのだが、そこに来ている女性は年齢関係なく全員に手を出す。
時にキレ出し、プロフィールは嘘だらけ。

でも、見ていると胡散臭いのを超えて、このエネルギッシュな人に惹かれてしまう。

それは危険なことであると思う。

詐欺師も政治家もこういう人がいる。

こういう人に人は惹かれてしまう。

その人間の不可思議さを考えさせられる、素晴らしく面白く、エネルギッシュな映画であった。