せいけ

の方へ、流れるのせいけのレビュー・感想・評価

の方へ、流れる(2021年製作の映画)
4.5
曖昧な状態から繰り返される会話劇
抑揚を欠いたセリフ回しがこの映画の捉えどころのなさをより強調し淡々としながらもどこかサスペンスを思わせる
基本的には2人芝居で歩いて会話をするだけでの作品だけど、セリフの絶妙な按配で虚と実の境界を行き交う作劇が新鮮に映った
そしてなにより唐田えりかの圧倒的魅力
朴訥さと鋭さを兼ね備えた佇まいはこれ以上ないハマりっぷり
セリフがメインの物語だけど、映像でも示唆的に表現される
62分という短い尺でも言葉にし難い何かが詰まっている