せいけ

チャイムのせいけのレビュー・感想・評価

チャイム(2024年製作の映画)
5.0
黒沢清の代名詞となり得る作品。日常へとシームレスに訪れる恐怖の描き方にひたすら唸らされる。料理教室という恐怖とは程遠いモチーフを出発点によくここまで高純度の黒沢清作品に仕上げたなと。コントロールされた画面のデザインセンスと音響設計も映画の輪郭を際立てる。『CURE』を想起させつつも、どのジャンルにも当てはまらない奇妙な映画になっている。余白が含まれた作りゆえ、鑑賞後は思考が巡りそうになるけれど、まずは目の前で起こる出来事に刮目すべし。本当に面白かった!黒沢清イヤーの到来を高らかに宣言するに相応しい映画。劇場でも観てみたい。