ホロコーストをテーマにした名作映画が、また世に出てきました。
1942年にベルリン近郊の湖のほとりにある別荘で行われ、ナチスドイツのユダヤ人政策(最終的解決=虐殺)を決定したヴァンゼー会議の議事録を参考にした実録映画なんだけど、台詞のひと言ひとことがエグすぎた・・
ほぼ場面転換もなく、リアルタイムで淡々とした会議を見てるような作品です。
脚本は議事録ベース(議事録は戦後になって発見されました。こういう負の記録まできっちり残してるのは、さすがドイツ人です)だから、台詞はノンフィクションに近いんだけど、なんというか絶対直接的な表現を使わないところに役人の小狡さを感じるし、ここに至ってもデュープロセスの部分から省の権限を主張する司法省と外務省に役人の性を実感してしまうし、いやもうスゴすぎる作品でした・・
正直、知識がないと難しい部分はあるし、会議の参加者のキャラクターや背景などがわからないと発言の意味が理解しにくいところもあるので、万人におすすめできる作品ではありません。
その辺の知識が薄い人は途中で寝ると思います。
とはいえ、こんな作品を配信でなく配給してくれた会社に感謝ですね。
この作品で興味を持った人は、ウクライナにおけるホロコーストを描いた「バビヤール 」(作中の台詞にも出てきた)や、ノルウェーを描いた「ホロコーストの罪人 」などもオススメです。