ふきげん

ヒトラーのための虐殺会議のふきげんのレビュー・感想・評価

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)
3.5
とても穏やかで綺麗な湖畔の別荘で、堅苦しい政治会議だけ。
要は会社でもよくある幹部合宿ですね、なんとしても方針を決めたかったんでしょう

政府サイド、東部の占領地管理者といった利害関係者がめちゃくちゃ語る

法の見地を語る者、自分の権益の利益を優先する者、とにかく成果を主張したい者、戦争コストを気にする者、SSの権利拡張を牽制する者と色々いるけど、
全員曇りなくユダヤ人の虐殺には大賛成

1番ぶつかっていた内務省の
いきなりハーフ、クォーターも疎開すると親戚とかがびっくりして国家運営に影響あるから、とりあえず全員断種しない?
ってのが1番ロジカルで国のことを真剣に考えて話してて狂ってた

社会的ダーウィニズムが浸透して統制がきいていると、こんなにも揉めない会議になるんだな、と特段山場もない平坦な映画に感心してしまった

もちろん思想には不快感はあるんだけど、なんと言えばいいか、その前提に立てばそうだよね、という風に鑑賞者として感じさせる、つまり、これは机上で決まっていく感情がない議論で、虐殺を全く感じさせないような映画であったと思うし、それが怖いポイントだったと思う

想像力の欠如
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