このレビューはネタバレを含みます
原作を読んでいたこともあり、絶対に観るぞ！の意気込み。
かなりの長編小説ということもあって、映画化となるとどういう再編をされるのか。ってところも気になりつつ、前評判は初日満足度No. 1（Filmarksより）ってことでハードルは上がってました。
まずは、原作を読んでいない方。「正欲」というタイトルからなにかエロいシーンを期待したんじゃないですか？しかもガッキー出てるし。とか不純な動機で見にきた方、重いテーマの映画ですので海より深く反省して帰ってくださいねw
というのは半分冗談ですが、現代というかいろんな『個性』とか『多様性』とかが認知され始めたタイミングにピッタリな作品かな。と思ってます。
子供としての普通。女性としての普通。会社員として。。。。いろんな普通が溢れてますけど、そんな普通な社会の中で、本性は全くの別物でもうまく紛れ込める存在を普通って言ってるのかもしれないなぁ。と思いました。
なんというか自分からカテゴライズされていくような生き方？それも少数派ではなく多数派に含まれている存在ってこと日本においては迎合される存在で、敵を作らない方法なんだな。とつくづく思いました。
社会不適合な人が出てくる中で印象的なのは、不適合とされる人は寄り添う努力をしている。という点です。社会の中における自分の存在を認知して、その中でどう生きるか。いや、作中的には、どう死なずにいるか。ということなのかな？
そういう意味で、あの人たちは苦しいけど生きている。
この作品のすごいのはそこで終わらないとこですね。『そっか！そういう人も大事にしなきゃね』って単純な話ではなくて、ちょっと保守的だけど啓喜みたいな人もいてくれないとバランスおかしくなっちゃってたよね。ってオチになってるとこ。
みんなハッピーって難しいんすね🤨
どの役者さんもハマってて原作に対して誠実だなぁ。という印象なんだけど、夏月を演じた新垣結衣は田舎にいた時と佳道との距離感が近くなっていく時の表情とか雰囲気の違いが少し怖いくらいだった。
八重子の東野絢香も。『あー、こういう感じ少しわかるなぁ』っていうか、人の弱い感じのリアルさがあってしらけた感じがなかった。
もう一回原作読み直そうかと思います！
あ、ちなみにまだ読んでない方。読書苦手だな。って方、オーディブルなら耳で聴けるので違ったエンタメになるかもです。
気になったら是非！！
