コウ

正欲のコウのネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

久々に観た映画だったのだろうけど
なんだろう。。今年『怪物』を観た後の感覚に似たものがあった。。

社会通念上『幸せ』や『常識』 と見なされている価値観を強要されることへの憤り
それでも表面的には相手に同調して波風建てずに暮らしていかないといけない生きづらさがまざまざと現れていた

社会的に認知されない性的嗜好を持つ登場人物の生きづらさが随所現れてはいるけれども

「多様性賛美の欺瞞」や「多様性の定義が画一化されることへの警鐘」みたいなことだけが作品のテーマではなくて

●社会的排斥を感じても人との繋がりを求めてしまう気持ち
●社会的肯定感を得られないことへの苦悩

のような普遍的な価値観が根本的なテーマなのかなっておもった

自分の本質に関わる問題は誰にも相談できない
そのことにはやっぱり同意しかないのだけれども

多様性の中でもさらに異質な存在の二人が『共感』っていう普遍的な価値観の中で救済される過程をみると 感傷的になってしまった

また『あってはならない感情なんて、この世にはない』という作中の言葉は
口当たりのいい美辞麗句をつらつらと並べることなんかよりもしっくり来て
どこか救われたような気がした。。
コウ

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