うどん

正欲のうどんのネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

いらないシーンのせいで原作のセリフ浮きまくりな気がした。原作見ずに見てみたかった。

以下加筆
特にそう思ったシーンは、夏月が死のうとして佐々木と出会った後ホテルで佐々木が夏月に対して原作にもそのセリフが存在する『自分が喋ってるのかと思った』と言うシーン。原作と異なり、映画では佐々木が女の子とどうこうなろうとしてそれを夏月が目撃して植木鉢を投げるシーンがその前に描かれている。そのせいで、『自分が喋ってるのかと思った』と言うほど二人がリンクしているように見えなかった。夏月は原作よりも他人に干渉しすぎな自己中に見え、佐々木は原作よりも小狡く上手く生きているように見えた。それもあって佐々木が自殺しようしている動機も薄く感じた。結果あのシーンが中二病の二人が意気投合してエモぉみたいな程度のシーンに成り下がってる感じがして嫌だった。

あと水の描写について。
小説を読んでる時、メッセージとして感じたのは『すべての性欲は汚い』だった。だから水フェチもほかの性欲と等しく汚く生々しいものとして描いて欲しかった。水フェチも小児性愛もマジョリティの性欲も同じレイヤーにある(と夏月達は考えている)からこそ夏月達は悩んでいるし、それをマジョリティの私達にも理解できないまま感じさせて欲しかった。しかし、映画での水フェチの描き方はただただ綺麗だったり壮大だったりマジョリティにも伝わるような甘酸っぱいエロさや綺麗さをもって描かれている感じがした。その行為そのものが夏月達が嫌っていたマジョリティの"勝手な"マイノリティへの理解を促進させてる印象を受けて主題とのズレを感じてもやついた。
うどん

うどん