現代っぽい傷つき易い若者たちの物語。世間が期待するような「正しい」自分になれない若者たちと、自分の「正しさ」を信じて疑わない検察官の稲垣吾郎のバトルは面白かった。群像劇的な描き方だけど、登場人物の関係性が徐々に明らかになってゆく展開も驚きがあって良かったと思う。
ただこれが性的マイノリティを描いた映画だというと首を捻っちゃうところ。主人公たちはただ水の動画を見ているだけなので、彼らの性的な嗜好でどう社会とのズレを感じているのかがイマイチ分からなかった。この映画の描き方だと、いや別に1人で水の動画撮ってれば良いじゃん？となるしな。若者たちのナイーブな感じは描いているけど、登場人物一人一人の背景はボンヤリしている感じ。
ただ無理矢理に決着をつけない、オープンなエンディングは良かった。
