石原さとみがヤンキーっぽい母親という所も新鮮だったし、最後に安易な解決を提示しない所も良かった。
ただ前作でも思ったけど、吉田恵輔監督のネット観は15年前ぐらいで止まっている感じがする。今どきの母親がデスクトップパソコンでネット掲示板を見ているのはちょっと古いと思う。事件から数ヶ月経っているのに、母親が知らない番号からかかってきた電話を警官からだと思い込むのもリアリティ無いかな。担当警官は普通決まっているので。
あとわざと主要人物の背景で言い争っている人たちを映すんだけど、人混みのある都会ならまだしも沼津でそんなに口論になる事は無いでしょ。これはSNS的な不毛な対立を可視化するような意図的な演出だと思うけど、現実社会とネット社会は違うので「これが人間、これが世間に広がる悪意です」と強調されても、それはリアリティである演出では無いと感じる。
あとプロのカメラマンは撮影中に絶対喋ったりしないと思うんだけどな…
