このレビューはネタバレを含みます
原作を読了してからの鑑賞だったから
それぞれの人物の背景や心情の描かれ方が
少し物足りない感じもあった。
(ただ原作のあのボリュームを2時間ちょっとの
映像でまとめるというのは難しいよね‥)
自分の想像できる範囲内での「多様性」は
果たして「多様性」と言えるのか
世間で認識されている多様性からも
こぼれ落ちてしまった人たちの
行き場のない苦しみや孤独
「そんなのありえない」の一言で
自分という人間がかき消され
ここにいるのになかったものとされてしまう
わかりあえないことこそが孤独なわけで
わかってもらえないという諦めの心はあるけど
わかってもらうことへの期待は捨てきれない
だから生きているだけで苦しくなる
佳道の言葉を借りるとしたら
ただ「誰も1人じゃないといい」と思った
大多数の意見が「普通」と扱われるこの世界が現実
思っちゃいけない感情はないけど
性的指向が人を傷つけたり
犯罪に繋がるということは、
どうしたって許されない
理性でコントロールできない感情は
理解する受け入れるとかの問題じゃなくて
よくない、としか言いようがない