カミカゼ

正欲のカミカゼのネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

個人的に今年の新作邦画ベスト
ある、特殊な性癖を持つふたりの主人公
その周りの人達を描きつつ、ラストにかけて登場人物達が絡み合うという構成
世の中に特別なものに興奮する人はいるとは思っていたものの、まだまだ僕の知らないことだらけだなと思わされた
そして、そういう人たちをLGBTQなどでくくろうとするけど、異性愛者でもたくさんの性癖があって、好みが全く同じな人なんていない
対象が違くてもそれは変わらないはずなのだ
そんなもの、完全に理解し合えるはずがないのだから、人それぞれでいいよねというスタンスでいられる世の中がいいなと思った
しかし、その対象によっては、傷つく人が生まれてしまう
一概に、性欲は誰しも持ってるものだから、全てを肯定するべきとも言えない難しさも感じた

また、もう1つネットが大きなテーマとして描かれていた
最近の映画などでは、ネットの危険性や悪いとこばかり描かれていた
しかし、たくさんの人達と繋がれるので、世の中からはみ出していると思った人達が、自分と同じような人と繋がることが出来るというネットの良さが描かれていたのが新鮮だった

主要キャストの演技力も素晴らしかった
特にガッキーの目の光が消えていたのが新鮮で、もっとこういう演技も見てみたいと思った
なにかと、多様性と言われる世の中だが、真の意味で人を全て受けいれることの難しさを問うこの作品が少しでも多くの人の目に留まればと思った
ただ、間違えないことは人を受け入れようとするという姿勢は大切だということ
この映画で、受け入れようとした人達は、どんな状況でも一人ぼっちになることは無く、そんなことはありえないといった人からは人が去っていったのだから
カミカゼ

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