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正欲のabeのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
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水に性的なものは感じないけど、映画の水描写が大好きな自分にはなかなか良い映画だった。

タイトルが出るベッドに水が込み上げてくるシーンや、プールで浮かぶシーンなど毋水を連想させるシーンが多いなと感じた。

普通の人間になれず他者との繋がりを拒んでいるものの、心と体では求めていて、文字通り母親と体で繋がっていた、毋水で表現していると思う。

フード描写もすごくよかった!!
吾郎ちゃんが演じている、寺井は将来を考えて生きている(物語でいう普通な人物)なのに全然幸せそうじゃなくてそれが食事シーンですごい出てたと思う。

家族がいるのにいつも一人ご飯を食べていたり、食べことに楽しみを感じてない食べ方が印象的で(特にオムライスの音を立てながら食べるシーンは最高だった)それに対比して、明日生きる希望もない桐生さんと佐々木はすごい美味しそうにご飯を食べいて、一番生きることを楽しんでいると感じた。

あと、桐生さんが、ぶつかってコロッケを落としたシーンで、汚れた方を旦那さんにあげればいいという発言が悪気もなく出る桐生の人間性をすごく感じた。食べ物を大切にしないやつにいいやつはいない。

桐生さんと佐々木のやりとりが台詞で説明しすぎだろ感じる部分はあったけど、すごく良い映画だった!
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