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正欲のBCのネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

夏月の事故は夜のヒトケのない場所なのになぜか佳道がいたり、
何の前触れもなく、街角で検事と夏月が出会っていたり
ご都合主義が目立つ筋書きだったな。。。

登場人物達のアブノーマルさは共感は出来ない…
とはいえ、私は女性なのにピンクが嫌いで青が好きだったり、大人になってもコーヒーがダメだったりして、
世間一般的な趣向(価値観)が自分の好みとは真逆でね…
作品の感想も世間で大絶賛されている作品が合わなかったり、
逆に大酷評されている作品がそれほど悪いとは思えず面白く感じたりなので
常々少数派だと自覚してきたから、
この作品の登場人物達の世の中で孤立している虚しさや寂しいからこそ同類の人とつながりたい欲はわからなくはない気もするのよね。

稲垣吾郎は横顔が少し福山雅治に見えたな。
原作は未読ですが、稲垣吾郎の検事役はわりと合っていたと思う。
堅物で冷徹に見えて、クールに徹しきれず
YouTuberな息子に頼まれた風船膨らませようとしたり、
ラストシーンでは別に応えなくてもいいのに自分の家庭の現状を言ったり、
結局は夏月が佳道に伝えたかった言葉を聞いたり
優しさが滲み出てしまう心根はお人好しな感じは稲垣吾郎にしか出せないと感じた。

夏月役の新垣結衣は美しすぎて佳道に出会うまでは彼氏いなかったようには見えなかった。。。
例えば、スッピンかスッピンに近い薄いメイクで髪型を野暮ったくするとか地味な眼鏡かけるとかもっと低い声で話すとか
風貌だけでも役作りすればそれなりに役に見えるはずだと思うけど、
”俺のガッキー”的な世の男性方の憧れの女性像を打ち崩せないのかしらね?
それでも幸せをひけらかすように話しかけてくる学生時代の同級生を睨みつける夏月の目はインパクトあるから強さが勝ってしまって、
メンヘラさが薄れてしまったのも違和感覚えてしまいました…。
意外性狙い?キャスティングなのかもしれないけど、期待外れでしたね・・・。

佳道役の磯村勇斗は不気味な役柄が『月』とカブる気もしたけど、
この作品もどっぷり役に染まりきっていて、
磯村勇斗が出てくるとゾクッと息を呑むようなどんよりした空気に場を導く。
俳優というよりも役者として脂がのった最良の時期ですね。
今の磯村勇斗の主演作も観てみたい。

検事の妻役の山田真歩は不登校の我が子を案じるばかりに過保護になり、
YouTube配信に狂ってしまう心が追いつめられている難しい役を巧みに演じきっていた。
もっと評価されても良さそうな演技派女優。
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