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正欲のprasticのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
2.5
原作厨みたいになるのは嫌だけど、小説が持ってた多面的な要素があまりに平板になっている気がして、納得いかないことが多かった。

寺井も八重子も自分のステレオタイプに反省的な部分が具体的にあったのに曖昧にされすぎている。
「水」に対するフェティッシュもセックスやオナニー/を通じたオルガズムという一般的な性の形式に重ね合わせたメタファーが多用されるが、それでいいのか疑問、もっと別な形の性の喜びの可能性が視覚的に示唆・試案されてよかったのではないか。(水が色気を持ってるのではなくて、水で佳道と夏月がセクシーに映ってるだけやん、となってしまった)
確かに美学的には良いかもしれないけど…、多様性の包括批判をテーマにした小説をもとにしているのに、1番直球のテーマを有耶無耶にして良かったのかな。佐々木と夏月に重点を置きたかったのだとしても。
言いたいことがたくさんある。とても書ききれない。
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