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正欲のレッサーのネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

なんかあんまり刺さらんかった
全体的に人物描写がステレオタイプというか、形だけなぞってる感じ……
「こう見せたいからこの描写を入れてるんだろうな」ってのは分かるけど展開が急だったりしてリアリティがないというか、感情移入できない。
例えば神戸と諸橋の教室でのやり取りも、神戸の諸橋への関心はそこまで歪んで見えたのに急に真正面から関わっていくし、諸橋もストーカー的な行為をしていた神戸に対して数分のやり取りで真正面から取り合おうと思ったのが何故なのか分からなかった。ここが甘いからなのか神戸自身にここまで尺をとる意味がつかめなかった。

寺井も、その物言いが正しいとは思わなかったけど、学校に行かないこと、自分を律して好きなことを極めて将来に繋げることの困難さを危惧する気持ちも、検事という仕事柄、普通に生きていたら関わらないような世界の人間の恐ろしさが身に染みているだろうことも想像できるけど語られないしどう見ていいか分からなかった、、共感もできないけど、無自覚に人に配慮できない救いようのない人間にも見えなかった

妻は息子といる時間が長い分、そういう葛藤を乗り越えて、今はただ息子が生きる楽しみを見つけられたことが嬉しいんだろうけどその葛藤の描写もないし、寺井とそこまでのことを話す描写もないから感情論で寺井にぶつかって理解して貰えないからヒスってるみたいに見えた。

人に理解されがたい感覚を共有できるってそこはかとない救いで、生きる希望だよね。
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