このレビューはネタバレを含みます
音楽は流石ディズニー。メインソングの『ウィッシュ』はもちろん、ヴィランソングの『無礼者たちへ』が良すぎた。ビジュアルがそっくりのクリス・パイン、声が良すぎる福山雅治、両バージョン共めちゃくちゃ良い。ディズニージャパンは声優にタレントを使うときのキャスティングが上手いと思ってるんだけど、今回の福山雅治は良すぎた。福山雅治の喋り方がディズニーアニメに合っていて、逆にまだ出てなかった事に驚き。ヴィランソングは個人的に『ライオンキング』の「Be prepared」が絶対的1位だったけど、それに並んだかな。色気も負けてない笑
最近のディズニーの3Dは映像は確かに進化しているけど味気なく感じていたので、2DのようなCGアニメはすごい良かった。
ただストーリーは噂に聞いていた通りの印象。マグニフィコはヴィランだったというより、本編中にヴィランになったキャラかな。
まず願い事をマグニフィコ国王に預け、いつか叶えてもらえるロサス王国。夢のような国だけど、言い換えれば願い事を叶えるために本人が能動的に動くことはなくただ待つだけ。
これまでのディズニーって主人公が理不尽に虐げられる環境にいたり、周りに何を言われようと夢を叶えるために努力するキャラクターばかりだったので、“ただ待つ”だけのこの設定がしっくり来なかった。
（自分の祖父の願いだから無理ないけど）他人を疑わない性善説の擬人化みたいなアーシャと、叶えてはいけない夢もあるという統治者目線のマグニフィコが考えが一致するはずもない。マグニフィコが言う叶えられない願いが具体的にどんなものが分からないからマグニフィコがとんでもない悪者になっちゃうけど、現実に置き換えれば悪い願いを持ってる人はいるから、マグニフィコの言う事にも一理あるように感じちゃうんだよね。
アーシャは真実を知ったからマグニフィコを非難するのも分かるけど、まだ何も知らない民衆からあんな風に言われるマグニフィコはあまりにも可哀想で、そりゃあんな歌も歌いたくなるよ笑
アーシャが良くも悪くも“優しすぎる”って言われてたことや、『無礼者たちへ』が付箋になって、最終的に「願いを叶えるには待っているだけじゃダメ。自分で努力しないと」となるのかと思いきや、マグニフィコは悪いやつで押し切ったのは残念だったかな。
願いを持つことの大切さってパークのショーでもやるくらいディズニーが昔から大事にしてきたことでそこに重きを置くのも分かるけど、努力することの大切さを最後に取ってつけたような感じで描いていたのもガッカリ。無いよりはマシだけど。
全体的にこれが１００周年記念作品で良かったの？って言いたくなる印象だった
