映画ではアドベンチャーとかミュージカルはあまり鑑賞しないジャンル。この作品は予告編であまりのリアルさに驚いてしまった。前日譚とは一体どんなストーリーなのかずっと気になっていた。超実写映画という言葉にも興味がそそられた。
こんなにも技術が進んでいることに驚いてしまう。動作といい、表情といい、リアル感は半端ではない。アフリカの広大な自然の描写も美しかった。
舞台はタンザニアのプライド・ランド。マンドリルのラフィキが、シンバとナラの娘でありムファサの孫にあたるキアラに昔話を聞かせている。それはムファサとタカの2頭のライオンの出会いと兄弟の絆、ライオンとして生きる辛い運命の道程だった。
キアラの表情は子猫のように愛らしい。やっぱりライオンはネコ科だ。「プライド」という群れで生活するライオンは、王国を持ち縄張りを主張する。ライオンはお昼寝が大好きだというのを、タカのお父さんのオバシのぐうたらした姿で思い出す。狩りはメスがしてお父さんはお昼寝ばかり?それでも「プライド」の王は威厳を保ち統率していく。ラファサとタカは新天地ミレーレに辿り着いたけど、戦闘ライオンのキロスが復讐に燃えて追ってきた。ミレーレで元々静かに暮らしていた動物達に一緒に戦おう!なんて言うのは正にファンタジー。孤児だったムファサが、王の血筋だったタカより能力的にも上でメスライオンのサラビにとっても魅力的だったから、タカにとっては本当に切ないことばかり。ムファサを救った子供の頃のタカを知ると、後にスカーと名乗りムファサとシンバを殺したいと思うほど追い詰められたタカの気持ちが少しわかったような気がする。
素晴らしい音楽に耳を傾けながら、ラフィキが語る壮絶な物語にいつしか引き込まれていた。