りーん

西部戦線異状なしのりーんのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
3.8
他人だった同胞の死体が身近なものになってしまう瞬間が苦しかった。
1930年版を観てたから流れは知っていたけど、それでもズシンと暗い気持ちになる。カットにまた会えて嬉しかった…
映像がクリアになって、戦場の惨事も疲弊していく表情も顕になっているよう。
乾いた泥にまみれた顔が印象的。
時々映る自然の風景に無情さを引き立てられる。
止まることなく耐えていく命を突きつけて、静かに強く戦争を批判しているように感じた。
首に巻かれたそれは、引き継ぐとかそんな前向きなものじゃなくて呪いのように感じた。軍服と同じように繰り返されてしまうようで。


ダニエル・ブリュールさん見たさもあったのだけど、ほんとああいうストレス多そうな役柄が似合うなと思ったり。
大人として、また外側の人間として大事なこと言ってくれる人だった。食事をしていないのが印象的。
りーん

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