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西部戦線異状なしのsonozyのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
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ドイツの小説家エーリヒ・マリア・レマルクが自身を主人公の志願兵パウル・ボイメルに投影したとされる小説が原作。
過去の映画化作品2作は未見です。

映像もキャストも素晴らしいですが、この手の戦争映画、現実の世界とシンクロする今観るのは辛いですね。

パウルが戦死した日の司令部報告に「西部戦線異状なし、報告すべき件なし」と記載された事に由来するというこのタイトル。
自身はワインを愉しみ、美食の残りを飼い犬に投げる髭のフリードリヒ将軍の、休戦実行の直前の無駄死のための攻撃命令。
亡くなった兵士の首にかけられているドッグタグ(認識票)を折り取り回収するシーン。
最後に示される、「西部戦線では1914年10月から塹壕戦で膠着し、1918年11月の終戦まで前線はほぼ動かず、僅か数百メートルの陣地を得るため300万人以上の兵士が死亡。
第一次世界大戦では約1700万人が命を落とした。」という記録
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観ていて辛いというよりも、安全圏で本作を観ているこの私(日本人)も、この先、戦争に巻き込まれないという保証などないよな。自分がこの作品の登場人物だとしたら…と、考えてしまう鑑賞体験でした。
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