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西部戦線異状なしのkoryuのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
3.8
エーリッヒ・マリア・レマルクの有名な反戦小説の映画化。過去にも何度か映画化されているが、ドイツ映画としては初めてだとか。原作にはない連合国とドイツとの休戦交渉がパラレルに進行するところが特徴的。血気盛んな17歳の主人公パウルと学友たちは教師の愛国演説に送られて意気揚々と陸軍に入隊し西部戦線に配属される。戦死者から回収され洗濯された軍服を渡される導入部から衝撃的だった。長い塹壕戦で膠着状態の戦場はリアルで臨場感に富み圧倒的だ。ストーリーは淡々と進んでいくが戦争の不条理と残酷さで若者の心が壊れて行くのが悲しい。ウクライナ東部では今も塹壕戦と無謀な突撃が繰り返されていると聞く。まさにこの時に本作が公開されたことは極めて意義深いと感じた。
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