シュンチャカ

西部戦線異状なしのシュンチャカのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
3.8
「くだらないプライドを捨てろ」
「私たちが話している間に何万人も死んでいる」
停戦を持ちかけようとするダニエルブリュールが
終始あまりにも当たり前のことを言っているのに
ヒーローのようにすら見えてしまう
列車の中の紙一枚で終わる戦争。
兵士は塹壕で文字通り泥水を啜っている間、
将校達はパンが焼きたてかどうかを気にしている。
自分がピュレグミにしようかサワーズにしようか
迷っている間にも
ウクライナは侵略されている。
(自分ではどうしようもないのにまじで一年これ考えまくって、募金しか出来ることなくて、こういうことを今を生きてる自分たちが作品に遺伝子として残していくべきだなとか思っても直接関与はできなくて)
ただ生まれる国を違えただけなのに、
11時を跨ぐまでは殺し合わなくてはいけない。
その境目は時の権力者がいくらでも
捻じ曲げられる不条理。
残り15分のプライドによる足掻き。ダセェ。
男がいなかったら戦争なんてなかった
なんて暴論極論聞きまくるが
100%で否定できない歴史がある。
「平和に生きていることに感謝」と残した
あなた、
無知ほど幸せなことはない。
実感が伴った時には
すでにそれは始まっている。
シュンチャカ

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