HirotoMori

西部戦線異状なしのHirotoMoriのネタバレレビュー・内容・結末

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

観れてはいないが、1930年にアカデミー作品賞を受賞した作品と、原作を共有する。
こちらは2023年アカデミー賞受賞作品(美術/撮影/作曲/国際長編映画)だったのもあって観たが、確かに美術は特に圧倒的だった。
数ある戦争映画の中でもここまで残酷にリアルを表現できた作品はほとんど無いだろう。

物語としては、ただただ絶望の連続で終わっていく。
皆死ぬ。
それもただじゃ死なせてくれない。
無力感とともに死んでいく。
あまりの暴力性に喰われたり
希望を踏み躙られて虚無に消えていったり

今でもたまにあるクソみたいな戦争賛美映画と違って、とても良い戦争映画に仕上がっている。
戦争なんかあってはいけないということを嫌だというほどしっかり伝えてくれる。
エンドロール直前にも説明があったが、たかが数百メートルの領土のために5年間かけて300万人の命が使われたという事実は、この映画が表現した人間一人一人に対する軽視を、史実として教えてくれている。
平和教育のために誰もが観るべき映画の一つではないだろうか。
HirotoMori

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