くるくる

西部戦線異状なしのくるくるのネタバレレビュー・内容・結末

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

リアルで引き込まれた。
爪に入った泥や、顔についた乾燥し切った泥、水っぽく黒い泥など細かいところまでリアルを追求していた。
平和な友との会話と、交戦シーンを交互に見せることでより、戦慄したものとなり見るものに緊張感を与えるものとなっていた。
泥っぽい水を躊躇なく飲む場面や水溜まりを避けない場面など、生きることに比べたら些細なことに過ぎないと教えられました。私たちは、何か良くないことが起きると"最悪"と口にしますが、人としての最悪はおそらく死ぬことで、明日も生きれるであろう私たちは、とてつもなく平和的に生きているのだと思い知らされた。
戦争での数少ない幸せの一つに戦友が生きていることが当てはまると思うが、主人公の戦友が次々と戦死していき、一日を生き残った喜びを分かち合う人が減り、次は自分の番ではないかと悟って、より明日への希望が薄くなっているように感じた。
中盤、敵を刺し瀕死状態になり、必死に呼吸しようとする音が嫌でも聞こえ、最初はその口を塞ぎ音を聞こえないようにしようとしたが、それでも聞こえる苦しみながら呼吸をしようとする音により、自分は“今、人を殺しかけている“ことに気づかされ、助けようとするが死んでしまう。この場面が一番印象的でした。
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