なかすん

西部戦線異状なしのなかすんのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
3.8
戦争の虚しさ、施政者の傲慢さ、
理不尽さについて考えさせられる作品。

技術革新によって、戦車、毒ガス、飛行機など、戦争の形が大きく変わってしまった。


第一次世界大戦について、
チャーチルが語った言葉を紹介する。


「戦争からきらめきと魔術的な美がついに奪い取られてしまった。
アレキサンダー や、シーザー や、ナポレオンが兵士達と共に危険を分かち合い、

馬で戦場を駆け巡り、帝国の運命を決する。
そんなことはもう、なくなった。

これからの英雄は、安全で静かで、物憂い事務室にいて、
書記官達に取り囲まれて座る。
一方何千という兵士達が、電話一本で機械の力によって殺され、息の根を止められる。
これから先に起こる戦争は、女性や、子供や、一般市民全体を殺すことになるだろう。

やがてそれぞれの国には、大規模で、限界のない、一度発動されたら制御不可能となるような破壊のためのシステムを生み出すことになる。

人類ははじめて自分たちを絶滅させることのできる道具を手に入れた。
これこそが人類の栄光と苦労のすべてが最後の到達した運命である」