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フェイブルマンズのmiumiuのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.9
スティーヴン・スピルバーグの自伝的作品と言われている作品かつオスカーの作品賞ノミネート作品。
映画撮影に魅せられた主人公サミー(サム)の幼少期〜学生時代までを描く。

1950〜1960年代の空気感や衣装が素敵。
スピルバーグ作品らしく、日常を物語にしているのに映像がさりげなく工夫されていて美しい。
内容に関しては、家族の抱える問題を一見軽やかに描きつつ、あまりにもパーソナルな内容で
「これを映画にして(観客の立場だと観て)、エンタメとして消費していいの…?」
とちょっと戸惑ってしまった。

音楽が素晴らしいな! と思ったら、手掛けているのはジョン・ウィリアムズ。
そりゃ素晴らしいに決まっている。
いろんなAwardsでノミネートされている今作、私が特に好きだったのは、主人公の父役ポール・ダノの演技。一見すると目立つところのない穏やかな父親役。
たぶん演技として評価されるのはより印象の強い母親役のミシェル・ウィリアムズのほう。それでも繊細な演技で役柄を表現しているポール・ダノの演技は好きだった。
セス・ローゲンがスピルバーグ作品に出演しているのも意外性があって良かった。

芸術家の母と理系の父に子供たちが振り回される話と言えなくもない。が、サミーの映画作りへの情熱をストーリーの軸に置くことで、両親それぞれへの愛と映画製作への思いを映像化した作品だと思った。
「映画製作の映画」と思って観ると本当によく出来た作品。
ただ、私は家族の描写や、サミーが引っ越した先で晒されたユダヤ人差別に苦い気持ちになってしまったので、スコアは抑えめ。
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