けんちん汁

フェイブルマンズのけんちん汁のレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.8
今作も映画愛炸裂映画かと思いきや、距離感があり、家族ものとしての側面が強かった

さらに映画が好き!と言うよりは、スピにはもはや映画監督になるしか道はなかったかのような描かれ方で、観た後により映画が好きになるということはないだろう

クリエイターはたとえ他のものを捨てても行きたい方向へ進まないといけないといあ発想はディミアンチャゼル映画によく見られる思考であり、ぱっと見常識人そうなスピもそういった意味でしっかりと狂っていたという事実には驚いた

キャスト陣もかなり良く、中でもポールダノとジュリアバターズの激昂シーンは汁デミー賞ベスト怒り部門にノミネートしたい

ただこの話はスピの自伝的映画だから観てられたというのはある
正直母親の思想がただの言い訳にしか聞こえなかったし、終盤少し駆け足でもったいないとも感じる
ジョンフォードのところはかなり笑ったし、ラストの第四の壁を破る演出はグッときたが。

さらに言えば、俺の中でスピルバーグは元祖マイケルベイ的な不謹慎監督の印象が強く、彼にはずっと心臓抜いたり、目ん玉追っかけたりする映画を大金かけて作ってて欲しいのである

魔宮の伝説撮影時に、虫に塗れてキャーキャー騒ぐケイトキャプショーを見て、はあこの人と結婚したいと思ったというエピソードはあたおかの一言だと思う

そーゆー低モラル野郎からすると、今作のような落ち着いた演出には少々物足りなさは感じてしまう
もっと序盤の衝突に魅了された狂った男の方向で話を進めて欲しかった