かぴばる

フェイブルマンズのかぴばるのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
4.6
 『バビロン』のような映画愛全開の作品なのかと思いきや……

 繰り出されるのは濃厚な家族事情。天才であるがゆえに家族を振り回す理屈っぽい父、芸術家肌で頑固、愛は深いが情緒に問題のある母、ユダヤ人であるゆえの学友からのいじめ等がかなりずっしり描かれており、もう許して……となる。なった。
 特に母親、お前は許されない。

 ひとりの人間の自叙伝的な内容であるため、たしかに一般人からすれば波乱万丈ではあるが、映画になるほどのなにかが起こっているわけではない。それを映画にしてしまってしかもふぅむと唸らせてくる手腕。やっぱスピルバーグなんよね。

 中盤ちょっと長いなと思ったものの、ジャイアンとの決着と大物監督との対面のシーンからの幕引きはとても良かった。

 だが母親、お前は許されない(再)。