風来坊

フェイブルマンズの風来坊のレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
2.5
うーん…高評価の作品なので否定的な意見は憚れるものの、やはり人の悦に入った自慢気な思い出話ほど面白くないものは無い…。
たとえそれが映画界の巨匠のスティーブン・スピルバーグ監督のものでも例外ではない事を痛感しました…。

まああくまで監督の子ども時代をインスパイアした作品で自伝ではないとの事ですけど。
少年が映画に目覚めるきっかけがセシル・B・デミル監督の「地上最大のショウ」なのと、最後に青年に語り掛けるのがあのジョン・フォード監督というエピソードだけは面白く興味深かったです。

主人公の人生に大きく影響を与えた2人の大物ですが、映画界では対極で赤狩りの時代に全米映画監督協会で対立した経緯の2人というのは運命的なものを感じますね。ジョン・フォード役を演じたのが、あのデヴィッド・リンチ監督というのも粋なキャスティングですね。

それ以外のエピソードはどうでもいい感じで中盤は眠気との戦いがツラかった。いつもはバッサリ切る編集力も自身の思い出話では影を潜め、あれもこれも入れたい見せたい気持ちが強すぎで余計なエピソードが多くて時間以上に長く感じました…。

監督としてはやはりユダヤ人差別は外せないところなのでしょうが、ちょっとクドく感じてしまったなぁ…。
アメリカの批評サイトでは91%の高評価の作品なので、私がどうかしてるのでしょうけど、みんな巨匠に気を使い過ぎな気がした作品でした。
風来坊

風来坊