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銀河鉄道の父のdendohのネタバレレビュー・内容・結末

銀河鉄道の父(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

終映しそうだったので駆け込みで観てきた。

子供がうるさかったり、後ろからキックされたりと何故か鑑賞環境が悪い。周囲がめちゃくちゃ泣いているが故に、寧ろ逆に冷めた目で観てしまった。とはいえよく知らなかった宮沢賢治のパーソナリティが知れたのは良かったかな。賢治が石原莞爾と同じ日蓮宗系の国柱会に入信していたのは知ってたが、ああいう流れだったんだね。

無論脚色はあるだろうから、次回に花巻に行くときは温泉だけじゃなく、宮沢賢治記念館でも行って勉強したいという気持ちになった。

そういや遠野..というより宮守川橋梁がちょっと出てた。銀河鉄道の夜のモチーフらしい。そうだったんだ。。。

なお映画では描かれなかったが、お父さんの宮澤政次郎は町議会議員を務めた地元の名士らしい。また浄土真宗についてもかなり篤く信仰していて、息子との喧嘩も映画のようなものではなく、説法のようなものだったのではと思った。それで賢治の死後に改修するのは凄い。
賢治の宗教観は作風にも影響を与えているらしいので、どこかのタイミングでもう少し掘り下げてみたいところ。

...とはいえ賢治への影響は妹・トシ、死後の評価に繋がったのは弟の清六(2000年代までご存命だったらしい!)による所が大きい。祖父ほどでないのかも知れないが、それでもバリバリ家父長制思考の父親を原作者がフィーチャーしたのは何故なのだろうと純粋に思った。他の宮沢賢治を描いた作品と見比べるとより解像度が増すかもしれない。

細かいところだと、暴れる祖父に対して『死は怖くない』と諭すトシのシーンはちょっと意味不明だった。いや死ぬの怖くて暴れてるのではなく、認知症で認知が歪んで暴れてるだけでしょ...(一応、生前のトシと祖父とのやり取りの記録がそれなりに残ってるらしいので、なんか元ネタがあるのかも知れんが)
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