展開としては単なるシスターフッドにしたくない感じがありありで面白くなくはないのだけど、いまいち詳しく語る部分での良さがないというか。
構造と物語はワクワクするのだけど、じゃあその助走で飛ぶジャンプはそこまで高くない、みたいな印象でした。
特にタイトルにある「いばら」と引用された御伽話の広がりが薄い。そこの薄いカタルシスと、そばに置かれた日常の切り取り方の旨さが同居している感じがなんか肩透かし感というか。
最後に男性側の1人の人間としてのシーンが挟まるのは旨い。善悪二元論の果てにせず、悪者を擁護もせず。生きている側だし。っていう形は良かった。
ただラストのラストでのさらにひっくり返す形は余韻もへったくれもない。
玉城ティナさんの作品複数見てきた中では1番良かったですが、松本穂香の一人勝ちでした。
途中で語られる個人間の住んでいる世界や見えている世界の違いが際立つ部分などめちゃくちゃいいのにそれを何でひっくるめて最後にどーんしないのか。そういうスタイルなのかそれができないのか。