櫻本榮真

ルパン三世 VS キャッツ・アイの櫻本榮真のレビュー・感想・評価

4.0
【はじめに】
作品に対して小説や漫画などの原作がある場合私はアニメーションを初見にして、後から原作に触れるようにしています。そのため原作との差異や矛盾点については原作から入った方のレビューにお任せします。あくまでアニメを初めて見た目線で書かせて頂いていることをご了承ください。

【良かったポイント】
ルパン三世シリーズとキャッツアイシリーズが違和感なく溶け込んだストーリー展開は見ていて気持ちが良く、両作品のキャラクターの絡みも自然で私にとってはとても面白かったです。モンキー・パンチ先生、北条司先生のコラボは魅力的だと思いました。この流れでシティーハンターとのコラボも個人的に期待してしまいます。

また、キャッツアイ三姉妹のうち戸田恵子さん、坂本千夏さんのオリジナルキャストがお二人担当されたことは実は凄いことだと思います。テレビ放送当時を知る方々はもちろんのことながら、今や大御所ともいえる声優さんが出演されたことはアニメファンとしてはワクワクするポイントです。

【難しかったポイント】
言いたくはないのですが、多くの方がおっしゃっているとおり見た目の評価が分かれるところだと思います。フルCGの作品であるため背景や乗り物、小道具などの描写は文句なしで綺麗です。しかしそれが故にお二人の先生方の世界観が薄れてしまったように感じられたのがキャラクターです。製作陣もそれを分かった上での挑戦をされたのではないかと思うので、賞賛をお贈りしたいです。まだまだ発展を続けているCGではありますが、アナログの良さというものを皮肉にも再確認できてしまったと思います。

ただ、一点気をつけたいのは時代設定が1981年だということです。髪型や服装に関する指摘があるのも把握はしていますが、敢えて昔のストーリーを今風にアレンジ、今時の技術で描いたところもチャレンジングなことであり、マイナス評価だけが全てではない事も頭に置いておきたいポイントです。

【タイトルについて】
シンプルイズベストとはこのことでしょう。非の打ち所がどこにもありません。「VS」とついているということで、イメージされる対立構造がどのように展開していくかは見どころのひとつでもあると思います。

【涙腺崩壊ポイント】
1時間15分頃からの展開はとてもワクワクしてちょっと感動しました。人によってはある意味泣けちゃうかもしれません。

【まとめに】
作画については様々な意見がありますが、作品としてはとても楽しめるものでした。否定的な意見のある部分を、逆に楽しめちゃう器用さもアニメファンとしては持ち合わせたいところです。これだけの歴史すら持つビッグタイトルがコラボしているにも関わらずお互いの世界観を潰さずに成立させた製作陣には感謝をお伝えしたいです。
櫻本榮真

櫻本榮真