ペンギン侍

aftersun/アフターサンのペンギン侍のレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.5
11歳の少女ソフィが31歳の父と過ごした短い夏。文字通り人生最高のバカンスだった。それを記録したビデオ見ながら父と同じ年齢になった大人のソフィは父にある思いを馳せる。

暗闇の寝室、電源のついていないテレビの画面に映る二人のカット、泥、海、まばゆい思い出をありありと思い出すかのような美しい映像。時折り顔の映らないアングルで観客の想像を掻き立てる演出に惹きつけられる。

直視できないような光が明滅する空間は、目を背けたくなるくらいしんどい。父はそこにいる。

残された側は人生を進めるしかないにしても、記憶に取り残され続ける。気づけなかった。どうして。でも絶対に時間は戻ってこない。「大人になったってなんでも話していいんだよ」と大好きな人に言われたのに、もうその人はいない。苦しすぎる。
でもあの夏父がくれたものだけは本当。

(久々に映画らしい展開の映画を観て興奮)
ペンギン侍

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