初めての映画を撮り終わって、はじめて観る映画作品。
映画の不可能性と可能性を垣間見る。
綿密な計画と執念、そのときそれがフレームに収まるという偶然性。
それは限りなく奇跡に近い。
そして目の前のスクリーンに立ち現れる限りそれは圧倒的虚構である。
しかし同期化して時空を繋げたり、他人の中に入れたりする。
頭の中のことを究極に言語化して、私の風景をみんなの風景にする。
カメラを人の視点にすり替える。
それらはとても簡単では無い。
へたれこんでもへたれこむ以上の思いがないと撮れない。
この映画を見て感じた物事。
きっとこの世界は言葉にはならないもので溢れていて、それを掬ってくれるような。
心と身体は簡単に切り離せるものじゃない。
どこかまったく別の世界線で出逢っていたらどうだっただろう、と意味のないことを考える。
あの人との思い出の場所は、雨に阻まれて行けなかった。もうあの時には戻れないのだ、二度と。
あのとき言えなかった「来てくれてありがとう。」は闇のなかに消えた。