kaikurikoro

aftersun/アフターサンのkaikurikoroのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.1
the tide is high

グライダー 飛ぶこと あるいは落下すること
プール 潜ること あるいは溺れること
家 安らぐところ あるいは鳥籠

知ってるけど、思い出せない、
見たいのに、見られない、ずっと足がつかない ここは深すぎる あるいは高くなってしまった

バケーションは死を想起する、
バケーションとは生から離れることで得られる浮遊感を楽しむことなのかもしれない 浮遊感はともすれば、足を掬い もう二度と足をつけることはできない

重ねられた時間がつくる重し
先を見通すことを許さない重たすぎる瞼は
未来の代わりに
目の前の風景に明滅する狂気を直視させる 
娘のいない間、彼はその光の中で踊るしかない、
全てを忘れさせてくれる救いが訪れるまで

あるいは娘がいたとしても、救いの手は訪れないということが分かってしまうまで 
あと少しだけ
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